Aldeia
”アウディア”、ポルトガル語で「村」という意味です。アンゴラには星の数ほどの村があります。村人は細々と農業をしながら、数十家族が肩を寄せ合うように暮らしています。貧困から抜け出せないまま、マラリアにかかるリスクと隣り合わせで生きています。大きな村になると学校、診療所や地下水をポンプで汲み上げる共同の水飲み場をもっていますが、まだ一握りだと思われます。
先日、ある村の家の中を訪れる機会がありました。家は土の壁で作られ、地面も土です。電気も水道も通っていません。昼間でしたが、家の中は真っ暗で、トタン屋根には小指の大きさの穴が開けられ、かすかに太陽の明かりが差し込んでいました。
家の中はひんやりとしていて、時間が止まったような静寂な空間でした。
陽が沈むと真っ暗闇になります。
暗闇の中では何もできなくなるので、家族は早々に就寝するようです。
外に出ると村の子供たちが待っていました。初めて見る日本人を遠巻きにしながら、目を合わせるとニコッと微笑んでくれましたが、どこか寂しそうな表情が感じられました。
日本から持ってきたアメちゃん(大阪で飴のこと)をあげようとすると、まるで雨水を乞うように小さな手を差し出してきました。子供たちは我先に押し合うこともせず、アメを掴み取ろうともせず、横取りしようともせず、手のひらにアメが落ちるじっと待っていました。
帰り際に、子供たちが見送りにきてくれました。
その中の”LOVE DREAM HOPE"と書かれたTシャツを着ていた子供がいました。
その文字は、まるで暗闇の中の一筋の明かりのように、ぼくには感じられました。