Sushi
「SUSHIとの出会いが、ぼくの人生を変えたんだ」
そう、言いながら、寿司を握っているのは、
ルアンダ在住のルイ(RUI)さん。
彼は、ポルトガル人です。
東京の六本木にある寿司店で、
わずか三ヶ月修行したルイさん。
いまアンゴラで地元で獲れた魚を使って、
寿司を握っています。
彼は店を持っていません。
口コミで彼の評判は広まっていて、
家庭に呼ばれて、台所で寿司を握ります。
まさに、プライベートな寿司職人。
この前も、ルアンダ在住の日本人の自宅で
15名近い駐在員に、寿司を握ってくれました。
本場の寿司を知る日本人に、一人で挑む、真剣勝負です。
地元のマグロ、イカ、タイ、をはじめ、
今朝、獲れたての魚を漁師さんから買い付けたルイさん。
丹念に、素早く、包丁を入れたかと思うと、
刺身が見事に皿に盛り付けられていきました。
間髪入れず、次は寿司を握っていました。
気迫さえ感じました。
舌のこえた日本人駐在員は、みな脱帽。
勝敗は、15対0で、ルイさんの勝ち。
気がつくと、もくもくと後片付けを始めています。
そして、日本人が食後の談笑に夢中になっている頃、
彼は、台所の最後の一滴の水を拭き取って、
帰っていきました。
SUSHIで人生が変わったルイさん。
寿司の手品師のようでした。