Feijoada
アンゴラの代表的な家庭料理に、フェジョワーダ(Feijoada)というのがあります。
ブラジル料理で有名ですが、元祖はアンゴラです。
その起源は奴隷時代にさかのぼります。
主人が食べ残した豚肉を当時の奴隷が食べていたことに由来するそうです。現代のフェジョワーダも豚のバラ肉、内臓、耳、鼻まで豆と一緒にぐつぐつ煮込んでいます。「鼻や耳はちょっと・・・」と思われるかもしれませんが、コラーゲンたっぷりで、結構いけるんですよ。
これを定番にしている小さな食堂によく足を運びます。ご主人自慢のフェジョワーダを1000クアンザ(約300円)で食べれます。豚肉以外の材料は全く使わず、胡椒もかけず、味付けは塩だけです。カレーライスのようにご飯と一緒に食べるのですが、スプーンは使わず、ナイフとフォークで食べるのが流儀です。アンゴラ流はこってりマイルドで、ブラジルと比べると塩分はかなり控えめで、しつこくありません。
今日も隣の席も、その隣もみんなフェジョワーダを食べています。
帰りがけにお勘定をしようとしたら、お釣りが足りなくなり、ご主人は困った顔をしていました。それを見ていたお客が、ほら小銭ならあるよ、と財布から小銭を出して渡していました。
そのお客もフェジョワーダを食べていました。
人と人が鎖で繋がれていた時代の食べ物が、いまは人と人をつなぐ伝統料理となっています。