Saúde
アンゴラには、星の数ほどの村があります。
ルアンダから600キロ離れた、村を訪問してきました。
到着すると、村人が一斉に出迎えてくれました。
赤ちゃんをおんぶした母親から、制服を着た長老まで、
老若男女、数百人が広場に集まってきました。
村にはポスト・デ・サウージ (Posto de Saúde ) と呼ばれる診療所が
ありました。早速、診療所を担当の女医さんが案内してくれました。
”サウージ”(Saúde)とは健康という意味です。
ベッドや赤ちゃんの体重計などが整然と置かれていました。
思った以上に整理整頓がされていて、清潔感を感じました。
ただ、何かが足りません。
天井に据えつけてある照明は停電でつきません。
薬棚を開けてもらうと、中は空っぽでした。
建物は村の家と比べると立派で、女医さんも丁寧な方でしたが、
当たり前のモノがない、ことの嘆きが彼女の表情に表われていました。
診療所を出ると、さっきの群集が待っていました。
すると、一人の長老が前に歩み出て、ゆっくりと話し始めました。
お金も医薬品もないこの村で、健康(Saúde)であり続けることは
簡単なことではない、と説明してくれました。
星の数ほどあるアンゴラの村人を代表するような、悲痛な叫びでした。