Refugiado
アンゴラ北部にルンダ・ノルテ州という州があります。
ここはコンゴ民主共和国と接しています。昔のザイールです。
昨年からコンゴ国内で民族対立が激しさを増しています。虐殺や暴行から
逃れて、コンゴ人が難民化して、国境を越えてこの州に逃れてきています。
その数は3万人以上で、四分の三は女性や子供です。
中には、家族が虐殺されたのを目の当たりにした子供もいるそうです。
ここにいる難民は、幸運にも、逃げ延びてこれた人たちです。
国連をはじめ、世界中の支援団体やアンゴラ政府の支援を受けて、今年
北部の最前線に難民キャンプが二ヶ所できました。
難民の収容が本格化しています。
キャンプは一時受入型と定住型で分かれています。
その難民キャンプに行ってきました。
今回は、定住型キャンプの様子をお話します。
難民はそれぞれ生い立ちが違います。コンゴで裕福な生活をしていた人、学校
の先生、農民、・・・と様々な人がいますが、「とにかく生きてアンゴラに
たどり着く」ことを目指してきたようです。
ある家族のテントの中をお邪魔させてもらいました。6畳一間程度の広さに、
4人の子供をいれて6人で生活しています。
彼らはコンゴに戻ることはありません。
ここで定住して、生活を始めなければなりません。
同行してくれたモザンビーク出身の女性の若い国連職員が、「自分も昔は難民
(Refugiado)だった」、と明かしてくれました。
「希望と勇気を持てば、全てを失ったわけではないことを教えていくんです」
この職員の言葉は、経験に裏打ちされた説得力がありました。
難民は皆フランス語を話します。
難民キャンプを歩いていると、笑顔で「ボンジュール」と声をかけてくれます。
この中から、大人になって、笑顔で「ボンジュール」と難民に声をかける国連
職員が将来生まれるかもしれません。そう信じることが、一つの希望の始まり
だと感じました。