São Tomé
16世紀、アンゴラを出帆した多くの奴隷船は、ギニア湾の沖合いにある
”サントメ”(São Tomé)という赤道直下の島をまず目指しました。
この島は当時、奴隷交易の中継地でした。
今ここは、”サントメ・プリンシペ”(São Tomé e Príncipe)という幾つもの島から
成る共和国となっています。人口17万人の小さな島国です。
”サントメ・プリンシペ”に住む黒人はアンゴラの奴隷が先祖です。
ここに、週末を利用して旅行してきました。
ルアンダから2時間のフライトで行けました。
”サントメ”は1470年にポルトガル人が上陸したときは無人島でした。
1975年に独立するまでポルトガル領でした。
現在は、コーヒーとカカオのオーガニック栽培で有名です。カカオはスイスなど
欧米に輸出されています。最近は観光業にも力を入れています。
一方で、一人当たりの国民所得が2000ドル以下の最貧国となっています。
しかし、地元の人はフレンドリーで、寛容でした。
物静かで、優しい表情が、今でも印象に残っています。
伝統の丸太をくり貫いた小船で、雨の中の漁から戻ってきた漁師さん、
寒流の流れにのってきた魚を、昔ながらの漁法で釣っていました。
朝の目覚めのコーヒーを気持ちよくついでくれた女性のウェィター、
古いポルトガル時代の屋敷跡で雨宿りする地元の子供たち、
絵になる情景でした。
1月から始まったNHKの「赤道直下」という新しい番組では、”サントメ
・プリンシペ”がまずオープニングで紹介していました。
まだ多くの日本人が知らない未知の、また未知の島国ですが、絶海の孤島に
浮かぶ、昔の”ひょっこりひょうたん島”を連想させるような、幸せな国でした。