Escola
地方のある公立校を訪問する機会がありました。
のどかな農村にある、小さな学校(Escola)でした。
ここでは小学生と中学生が同じ校舎で勉強しています。
片道10キロの遠くの村から歩いてくる生徒もいました。
生徒は、みな白い白衣を着ています。
これが、アンゴラの公立校の制服です。
まるで科学者のような、ユニークな格好です。
教室には電灯がついていますが、電気は通っていません。
外の太陽のあかりだけが頼りです。
アンゴラでは生徒数に対して教員の数も足りていません。
一人の教師が、何クラスもかけもちます。
教室が足りない学校が増えています。
朝、昼、夕方の3クラスに分けて、自転車操業のように
授業を回している学校も少なくありません。
この先生は遠くの町からやってきていて、学校の宿舎で
寝泊りしているそうです。
教室に入ると、日本と比べるととても殺風景な感じです。
時間割も、図画の絵やポスターも壁に貼られていません。
ロッカーもありません。
教材を買う予算もなければ、買える店も近くにありません。
教室にあるのは、黒板と白いチョークだけです。
先生は若く、明るい女性の教師でした。
こういう環境では、教師の実力と熱意が生徒の学力を左右
するような印象を受けました。
この日、若い校長先生が熱心に学校を案内してくれました。
彼は、黒い上下の制服を着ていて、革靴も磨いてこの日を
待っていたようです。
訪問を終えて、ふと上を見上げると、空は真っ青に晴れていました。
雲が、制服を来た生徒のように、のびのびと、空高く浮かんでいました。