Uige
ルアンダから北東に車で走ること5時間。
ウィジェ(Uige)という山間の州に出かけてきました。
ここはアンゴラで一番古くからコーヒー栽培をはじめた土地です。
ある老舗のコーヒー農園の直営店を訪問しました。
眼光の鋭い、アンゴラ人のおじさんが玄関で待っていました。
まるで、割烹着を着た老舗旅館のオヤジのようです。
彼が、ここの主人です。
寡黙な人でした。
古い工場の中に一歩踏み入れると、そこはコーヒー博物館のようでした。
まだ現役で働くフランス製の機械は、1956年ものです。
まるで蒸気機関車のようでした。
アンゴラのコーヒー栽培の中心は、しだいにウィジェからクアンザ・スル州に移り
ますが、今でも、ウィジェ州は頑なに昔ながらのオーガニックに徹しています。
一袋、850クアンザ(約250円)のコーヒーを買って帰りました。
60年前から動かし続けている機械で挽いて、焙煎したコーヒーの味は、
60年前とまさに同じ味です。
早速、自宅で飲んでみました。
たとえようもない深い香りと、円熟のある、優しい味がしました。
「どや。うまいやろー」
あの割烹着を着た主人の声が聞こえてきそうでした。