Kimbo
- republicofangolajp
- 2018年8月5日
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アンゴラの南部にクネネという州があります。
すぐ南はナミビアです。
地図を見ると、国境は一本の線で引かれています。
アンゴラを統治していたポルトガルと、
ナミビアを統治していたドイツが、決めた国境です。
定規と鉛筆をつかって、決められました。
このクネネに行ってきました。
ここには、オンチバン(Otchivam)という部族が、昔から住んでいます。
この部族はナミビアの北部まで広く分布しています。
彼らは、パスポートなしで自由に国境の往来できます。
ナミビア側にいる親戚に会いに、
アンゴラ側の安い水を汲みに、
お互いに自由に行き来しています。
オンチバン族は、親族単位で自分たちの土地を代々守ってきました。
写真のようなキンボ”(Kimbo)と呼ばれる囲いを四方に巡らせます。
長いもので端から端まで数キロあります。
部外者は自由に立ち入れません。
オンチバン族は、牧畜で生計を立てていますが、
動物や魚の肉は一切口にしません。
みな、ベジェタリアンです。
そして、親子兄弟一緒に、同じ敷地に住んでいます。
兄弟の誰かが先に亡くなると、その妻は、未亡人になることなく
他の兄弟の妻になります。
このように、いまでも一夫多妻制の習慣が残っています。
そのため一人がエイズに感染すると、またたく間に、家族の間に広がり、
最後は、”キンボ”に住む一族が消滅してしまうそうです。
その”キンボ”に住むある家族が、川のほとりまで洗濯をしに来ました。
洗濯物を洗い始めると、音もなく波紋が水面に広がります。
波紋は、小さくキラキラと輝き、やがて消えていきました。
クネネを離陸すると、眼下にポツン、ポツンとキンボが見えました。
家族が消えて失われていることを、暗示しているように、
洗濯場でみた川の波紋のように、
輪郭がなくなり、消えそうなキンボもありました。



