Mundele
Mundele (ムンデレ)
アンゴラ古来の言語”Kimbundu"語で、「白人」 という意味です。
北部のコンゴ国境付近にある国連の難民キャンプを訪問したとき、
子供たちが、ぼくのことを "Mundele !" Mundele !"
と呼びながら、駆け寄ってきました。
意味がわからず、そのまま気に留めませんでしたが、
あとになって、日本人である自分のことを「白人」と呼んでいる
ことがわかりました。
難民キャンプには、コンゴから命からがら逃げてきた人たちで一杯です。
多くは、女性と子供。
流れの悪い下水、片方だけの靴を集めた露店。
テントの屋根に干された洗濯物。
難民にとっては、日常の風景ですが、
ぼくには全て非日常の光景でした。
炎天下の中、ポツンと立っている女の子がいました。
射るような眼差しをしていました。
その子の目に映るものは、
ぼくが見えているものとは違うのかもしれない。
とっさに感じました。
どうして日本人まで「白人」と呼ぶのか。
その答えはわかりませんでしたが、
極限の状態に置かれた難民にしかわからないことが
あることを、その眼差しで知りました。