Choco Frito
”Choco” (ショコ)は、ポルトガル語で”イカ”のことを言います。
”チョコレート”をつい連想してしまいますが、紛らわしいですね。
このイカのから揚げが、”Choco Frito"(ショコ・フリト)
アンゴラの名物料理です。
もともと、大西洋に面したポルトガルの港町「Setubal」(セトゥバル)
が発祥と言われています。
アンゴラでも、「ショコ・フリト」はレストランでは定番の一品です。
寒流と暖流がぶつかり合うアンゴラ沖は、世界有数の漁場が広がってます。
内戦前の1970年代半ばまで、アンゴラは有数の水産輸出国でしたが、
現在、水産業はGDPの2%にも満たない零細産業となりました。
漁師はアンゴラ全体で5万人程度と言われ、昔ながらの漁で細々と
生計を立てています。
水産資源として、魚を市場に流通させる資本とノウハウがここにはありません。
漁師の船も手漕ぎが多く、海で遭難して、命を落とす人が後を絶ちません。
貧しい漁師さんが吊り上げたイカが、「ショコ・フリト」となって、
海辺のレストランに出されます。
見知らぬ漁師さんが小船で吊ってきた、小さな水揚げの中の、貴重なイカ。
これを知ってから、ゆっくり噛んで食べるようになりました。
すると、彼の釣ったイカの旨みと出会うことができています。