Há sopa
月曜の朝8時過ぎ。
ここはアンゴラの地方の小さな町。
朝食をとれる食堂を探していたところ、
Há sopa(ア・ソパ)という看板が目にとまりました。
日本語で、”スープあります”、という意味。
気温は10度と肌寒く、とりあえず入ることにしました。
食堂には、朝からビールを飲んでいる若者がいました。
仕事がないのだろうか・・、暇そうにしていました。
食堂にはメニューはなく、
文字通り看板メニューのスープしかありません。
スープは、とてもシンプルでした。
豆、菜っ葉にパスタの麺。
サイドデッシュにパン一個。
ふーふーと冷ましながら、一口食べてみると、
口の中にコクのある豆の味が広がりました。
味は薄い塩味ですが、素材の旨みが活きていました。
野菜だけの、贅沢な一品ではなかったけれど、
空腹と寒さが手伝って、最後のひと汁まで食べきりました。
店を出ると、裸足で遊んでいる少年がいました。
”スープ美味しかった?”、と聞いてきました。
”最高だね。体が温まった。”、と答えました。
少年はうれしそうな笑顔を浮かべて、
”バイバイ”と手を振ってくれました。
Há sopa(ア・ソパ)”スープあります”、という看板メニューに
不思議と心と体が満ち足りました。