Serra da Leba
アンゴラの南部に、シェラ・ダ・レバ(Serra da Leba)という険しい山があります。
急斜面を、30以上のヘアピンカーブで、高低差1000メートルを
一気に登る道が、ここの名所です。
全長20キロの道を登りきると、標高1700メートルの峠に着きます。
空が近くに見えるほど、空気が澄んでいます。
その先に、ルバンゴ市という大きな町があります。
この町は、1884年にポルトガルのマデイラ諸島の移民が開拓しました。
船で南部の港に着いた最初の移民は、この山を歩いて登りました。
けが人や事故も出たことでしょう。
ひたすら登り続けた先に、桃源郷があると信じていたのかもしれません。
”シェラ・ダ・レバ”の道は1970年代にようやく開通します。
それまで、ルバンゴ市は下界から遠く離れた、天空の町でした。
シェラ・ダ・レバの道沿いには、季節の花が咲きます。
10月になると、道沿いにはアフリカ特産の”ジャカランダ”の木が
満開の紫色の花をつけます。
それは、息をのむほど見事です。
最初の移民団がここを登ったのも1884年の10月と言われています。
彼らは、初めて見る紫色の花に誘われるように、
天空を目指して、ひたすら登り続けたのでしょう。