N'dalatando
首都ルアンダから内陸に4時間走ると、
ダラタンド(N'Dalatando)という、山間の町に着きます。
ここは、1936年から、当時のポルトガルの首相の名前
をとって、”サラザール市”と呼ばれていました。
サラザール首相は、1930年代からポルトガルの
いわゆる”独裁者”でした。
ヒットラーやムッソリーニーのようなファシズム政治で
40年以上にわたってポルトガルを支配しました。
彼の死後、1974年にポルトガルで民主化運動が起こります。
時同じくして、アンゴラもポルトガルから独立を果たします。
サラザール市と名づけられた、この町の名前も
今の”ダラタンド市”(N'Dalatando)に変わりました。
ここに、100年以上の歴史をもつ
アンゴラ唯一の植物園(ボタニックガーデン)があります。
長く続いたアンゴラ内戦で、一時植物園は荒れ果てましたが、
今、地元の人たちがここに戻ってきています。
アンゴラ特産のポルセライン・ローズ(Porcelain Rose)を摘んで帰る人、
鍋一杯に自慢のアンゴラ料理持ち込んで、ピクニックの用意をする若者、
内戦の時代には考えられなかったことです。
歩いていると、空から柔らかい日差しがこぼれてきました。
植物が嬉しそうに葉を一杯に広げていました。
内戦中、冷たいまま放置されてきた大理石のベンチやテーブルにも
ようやく、温かいぬくもりが戻ってきました。