Massangano
1641年に、アンゴラはオランダに一時占領されました。
ポルトガル人は首都のルアンダからから200キロ離れた
マッサンガノ (Massangano) という町に敗走しました。
今は小さな村ですが、マッサンガノは16世紀からポルトガル
の奴隷貿易の重要な拠点でした。
村の子供たちを撮ったこの場所で、奴隷が取引されました。
捕らわれた黒人奴隷は体格、年齢と歯並びで選別されました。
ここでふるい落とされた奴隷は、奴隷船に乗ることができず、
村にあった断頭台の露と消えました。
今でもその断頭台は残っています。
選ばれた奴隷は、すぐ下を流れるクワンザ川の岸辺から
手漕ぎのガレオン船に乗せられました。
そこから7日間かけて河を下り、
大西洋側にあって奴隷商館に連れて行かれました。
そこでカトリック教に強制的に改宗させられ、
新大陸に連れて行かれました。
ごつごつとした石畳や石塀で作られた
選別された一角は、当時のまま残っています。
静かに流れる眼下のクワンザ川や、
優しそうな村の子供たちの表情を見ていると、
露と消え、藻屑と消えた黒人奴隷は
きっとこのような穏やかな生き方を
望んでいたに違いありません。