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Kayak the Kwanza


KWANZA川(クアンザ川)

内陸の奥地から大西洋に流れ出る、アンゴラ最長の川です。

この川を、二人乗りのカヤックで漕いで踏破した人物がいます。

オスカル氏(Oscar Scafidi)(集合写真;左)とアルフィー氏(Alfy Weston)

彼らは、32日間かけて河口までの1300キロを、漕いで下りました。

その一人、オスカル氏の講演会を聞きにいきました。

会場には、欧米人やNGO団体など沢山の人が集まっていました。

オスカル氏は、インターナショナルスクールの教員の経歴をもっていて

いわゆる探検のプロではありません。

アンゴラの地雷除去活動の資金を募るために、この命がけの冒険を計画

したそうです。

出発地点は、アンゴラの奥地の山間の水源。

凍てつく寒さだったらしいです。

出発すると、数々のハプニングが待ち受けます。

カバと一触即発の遭遇や、

転覆事故で身の回りものをほぼ全て失うなど、

身の危険にざらされながらも、河口を目指して前々へと進みます。

一難去って、一難と思いきや、

今度は地元の警察にスパイ容疑で拘留されます。

挙句の果てにルアンダ市まで連行され、

計画を断念寸前まで追い込まれました。

それでも、運良く英国大使館に保護され、

拘留された元の地点まで戻って、カヤックを漕ぎ続けました。

32日目にクアンザ川の河口にたどり着いて、

ここで長い旅は終わります。

「ギネスブックにも認定されたよ」

「こんな目に遭うとわかったら、記録を破ろうと挑戦する人は、

この先も現れないだろうね」と、笑いながら言ってました。

この前人未到の偉業で集まった募金は25,000ドルだそうです。

日本円で280万円のこのお金は、NGO団体のHALO TRUSTに寄付され

アンゴラの地雷除去の活動資金にあてられました。

オスカル氏はこの冒険を本にして、今年出版しました。

題名は、「KAYAK THE KWANZA」。(クワンザ川をカヤックで下る)

残念ながら、日本のAMAZONでは取り扱っていないようですが、

英国アマゾンでは販売されているようです。

https://www.amazon.co.uk/Kayak-Kwanza-Oscar-Scafidi/dp/1789650127/

講演会の後に、ぜひブログで多くの日本人に紹介したい、と言ったら

快く彼から大切な写真を提供いただきました。

内戦によって放置された地雷や不発弾の数は、定かではありません。

一説には1000万発はくだらない、とも言われています。

この命がけの冒険で、除去された地雷は、全体のまだ一握りですが、

その一個一個には、相当の重みがあったはずです。

オスカル氏の活躍を、これからも応援したいと思います。


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