Liquembe
2年前に買った、アンゴラの伝統楽器を描いた絵を
ルアンダの自宅の壁に飾っています。
真ん中に、円弧の形で横に置かれているのがマリンバ。
アフリカの伝統的な楽器です。
その右下に、長い爪がいくつも並んだ、板状のものが、
「リケンベ」(Liquembe)という、楽器です。
西洋音楽の音階に馴染んでいる私たちには、慣れない音階
を奏でます。いわゆる、不協和音のような音です。
リケンベは、今でも地方の歌や踊りによく使われています。
ピアノの原理に近いと言われる、この楽器。
遠い昔、奴隷船にも持ち込まれて、遠く新大陸まで渡った
ようです。
一見、素朴で、どちらかと言うと、雑なつくりに見える
リケンベですが、これが今でもアンゴラ人の心を捉えて
止まないのは、何でだろう、と思いました。
実際に弾いてみると、不思議な音階が共振して、直接
指先や手に響いてきました。
体で音を感じ取りながら、音楽を奏でる、という楽器の原点
のようなものをリケンベに感じました。
一見雑に見え、不協和音に聞こえるリケンベですが、
それを弾くおじさんの表情は実に温和でした。